自然災害(台風)の減災・防災意識の課題とは!?

災害対策・防災情報

台風被害

関東首都圏では、「台風19号」による大きな被害を受けることとなりました。そんな台風被害に関して「防災・減災」の視点から、いくつか気になる課題点・問題点がありましたので、考察してみたいと思います。

現代日本の自然災害「減災・防災意識」の課題とは!?

近年、何かというと「地球温暖化に伴って、自然現象が激しくなっている」といった報道・情報が繰り返し流されています。

そのことによって、現代の日本では、年々自然現象が激しくなっていた、自然災害が拡大している・・と思い込んでしまっている人が増えているんですよね。

今回の「台風19号」に関しても

・記録にないような勢力の台風

などといった表現が繰り返し使われていました。

しかし、その認識は大きく2つの観点にて間違っているのです。

1)地球(自然界)環境は、常に周期(リズム)を持って変動しているもの。すべての自然現象にて、活発な時期(時代)と停滞期(時代)が繰り返されているのです。(地球温暖化は理由ではない)

2)日本の「台風」に関して。現実は昔(昭和)の方が台風勢力が大きかったのです。平成以降は、台風の勢力が小さくなってきているのです。

私は”昭和”を過ごしてきましたので、正直、今回程度の台風(台風19号)に関して、特別な意識はなかった・・といいますか、普通に「台風に対する準備」をしっかり整え、後は台風が過ぎ去るのを待つだけでした。

ただ、昔と違って、現代は”テレビ報道”だけではなく、SNSなどを通じて、様々な情報が氾濫するということです。

また、「台風の直撃に慣れていない(台風体験が少ない)」ということもあってか、台風に対する防災対策・減災の知識不足や防災意識の低さなどを感じることも。

そんな「課題点」と感じた要素をいくつかご紹介してみたいと思います。

台風(強風)時の「窓ガラス」対策の誤り

窓ガラスの対策

個人的に、ちょっとビックリしたのが、各種情報番組やSNSなどで紹介されていた「台風(強風)時の窓ガラス対策」でした。

*強風によって、物が飛来しガラスに衝突したときの「ガラス飛散防止」として、”養生テープ”をガラス面に貼ることが推奨されていたのです。

そんな情報を目にしたとき、「それはマズイ」と思い、私もSNSを通じて、情報発信いたしました。

確かに、「ガラス面に幼養生テープを貼る」ことは、飛来物がガラスに衝突し、カラスが割れたときの”飛散防止”に効果はあります。そういう意味で、間違いではないのですが・・。

そもそも「防災・減災を目的」とするのであれば

ガラスが割れたとき、室内にガラス破片が飛散しないようにするだけなら、「カーテンをきっちり閉めておく」ことで充分事足りるのです。

それよりも、飛来物に対して、少しでも”ガラスが割れないような工夫(対策)”をすることの方が、減災に繋がるもの。どうせ対策を行うのであれば

*ダンボールを窓の外側に張り付ける(養生テープやガムテープ)

ことの方が意味のある対策となります。

さらに、ツイートにて記しているように、現代の住宅では、窓ガラスとして

・単層ガラス
・ペアガラス
・合わせガラス
・網入りガラス

が主に使用されているのですが、「合わせガラス」「網入りガラス」はそれ自体に”飛散防止”の機能があるもの。

「ペアガラス」も飛散しにくいので、そもそも台風時にわざわざ”飛散防止”の対策をする必要がないのです。

「単層ガラス」のみが飛散防止対策の意味があると言えますが・・。

ここで、もっと大きな課題が。

*ガラス面に養生テープを貼りつけると、”耐風力”が弱まり、強風によって、ガラスが破損してしまう可能性を高める

こととなるのです。

一般的な窓ガラスは、「風速48m/s」までは耐えられるように設計されています。(ガラスの耐風圧と風速

「ガラス自体の強度」に加えて、「ガラスがたわんで、四方に風力を分散する」ことによって、ガラスの破損を防ぐような仕組みとなっているんですね。

それなのに、ガラス面に養生テープを貼ってしまうと、ガラスのたわみ方などが不均一となってしまい、風力を上手く分散することができなくなってしまうのです。

その結果、通常よりもガラスが割れやすくなることに。

*防災・減災という意味では、「ガラスに養生テープを貼る」ことは、逆効果ということ

「飛散防止」よりも「ガラスが割れにくい」方が大切な要素ですよね。

防災意識の課題

防災意識の課題

基本的には、多くの方が「防災意識」を高めているものと思っています。

ただ、毎回自然災害が生じる度に、一定数「防災意識の低さ」を感じさせ、「間違った行動」をとってしまう方がいることは、とても残念なことです。

川や水路の様子を見に行って、災害に遭遇してしまう(水に流される)

今回の「台風19号」でも、ニュースとなっていたのが「水路や川の様子を見に行って、水に流されてしまった」という出来事。

”大雨”時には、かならずといっていいほど、発生する出来事(事故)です。これは、”自然災害”ではなく、もはや”人的災害”に位置付けられるものと感じています。

まあ、「川の様子を把握したい」という気持ちはわからなくはありませんが、どこかに、必ず「自分は大丈夫」といった気持ちがある・・・そんな人が川の様子を見に行ってしまうもの。

*川が氾濫したときに、自分が住んでいる家は浸水する可能性があるのかないのか

は日ごろから、確認の上、認識しておかなければいけない要素です。

「浸水する可能性がある」のであれば、川の様子などは見に行かず、「避難警報」などを参考に、事前に浸水の可能性のない場所(避難所など)に避難するように、心がけておきたいものです。

台風到来の前日の急な買い出し

防災準備の買い出し

今回、個人的にある意味衝撃的だったのが

*台風前日にスーパー・コンビニなどにて買い出しが殺到。品切れ続出

となったことです。

特に

・非常食
・飲料水
・カセットコンロ(カセットボンベ)
・養生テープ

などが品切れとなったこと。

そもそも、これらの要素は「防災準備品(備え)」として、日常的に備えておくべきものですよね。

地震の多い日本では、必須の防災対策であり、防災の基本中の基本です。

百歩譲っても今回のケースは突発的な地震とは違って、数日前から十分予測できていた自然現象(台風の到来)です。

数日前から、準備はできなかったのでしょうか?前日になって、行列になるほど何故、多くの人がスーパーなどに殺到するのか・・・。不思議でなりません。

さらに驚きだったのが

”停電対策”として「カセットコンロ・カセットボンベ」を前日に買い求めた方の中に、通常のガスコンロを使用している方がわりといたようなんですね。

「IHコンロ」や「電子制御式コンロ」などの場合は、停電すると使用できませんので、「カセットコンロ」が必要なのはわかりますが・・。

普通のガスコンロなら、停電しても使えるので、カセットコンロは不要なんですけどね。

*前日の「とりあえず買っておこう」という行動は、本当に必要としている人に必要な物が届かない

ということに繋がりますので、控えるようにしておきたいものです。

*防災準備(非常時用の備品)は、日ごろから整えておきましょう!

「行政」の課題と「住民」の課題

避難所の対応

今回の台風被害に関連して、様々な「行政の対応不備」や「避難者(住民)の課題」が情報として取り上げられています。

ただ、これらも、あくまでも「一部の出来事」であって、全体的な傾向ではないということは、理解しておいていただければと思います。

「一部の出来事」の中から、今後の防災対応に活かされれば・・という視点にて、気になった出来事を取り上げてみたいと思います。

「避難所」への入室を拒否

今回、とても残念なことがありました。(もちろん、一部での出来事ですよ)それが・・

*避難所に入室が拒否された人(ホームレスの方)がいた

ということです。

避難所の入室にあたって、「住所の記載」が求められていたようなんですが、定住地の無い方(ホームレスの方)は、住所の記載ができず・・その結果、避難所への入室が拒否されたとのことです。

「住所の記載ができなければ、避難所への入室が認められない」

といった判断は、いかにも”行政的な対応”と言えますよね。

でも、そもそも各自治体の避難所は、別にそのエリアに居住している人でないと利用できないわけではなく、その地を訪れている人々(旅行者なども含めて)すべてが利用できるものです。

東京都内のある避難所にて、北海道からその地を訪れてきていた人でも”住所”を記載すれば入室できるわけです。

でも・・単に「住所が記載できない」から避難所に入室できないなんて・・・防災の主目的(命を守る)に反していませんか?

「避難所」の秩序・安全を保つ上で、ある程度の「制約」となどが必要なことはよくわかります。

ただ

災害発生時(初期段階、初日)は「命を守ること」を重視して、臨機応変な対応を最優先。

避難所生活の二日目以降(災害後)は、あらためて秩序・安全・衛生優先にて、”制約”などを徐々に重視していく

という段階的な対応が大切なのではと思っています。

避難行動は各自で判断!みんなで協力する意識を

自然災害が発生する度に、前項のような「行政に対する批判・課題の指摘」がなされることが多々あるのですが・・。

私は正直、それらの指摘の大半に疑問を感じることが多くあります。

*災害発生後の対応(災害復旧や各種支援など)

に関しては、全面的に各自治体(行政)が主体となって、積極的に推進していくべき要素と考えますが。

*災害発生時の対応(避難行動など)

は、「各個人(住民)」が自分の責任にてしっかりと判断して、行動(避難行動など)をすべきものと考えています。

今回のケースでも

・行政は避難に関する情報・呼びかけは行っていたが、その判断は住民任せとなっていたのには問題があるのでは?

・「避難場所」が良くわからない

などの批判・指摘が多々あるのですが・・。

「避難の判断は各自で行う」のが当然のこと。誰かに、具体的な指示をされない限り、動かない(避難など)というのは、防災意識として、大問題ありとと思うんですよね。

「避難場所が良くわからない」って・・避難場所は、各自が日ごろから、確認の上、複数個所を決めておくべきことです。

*「避難行動」の原点は、各自が判断する

ことなのですから。

と・・・同時に、重要な要素となるのが

*みんなで協力しあって、災害を防ぐ&自然現象をやり過ごす

ということ。

これは、「住民間」だけではなく「住民と行政間」でも同じことです。

正直、近年不足してきているのが、この「みんなで支えあう」ということだと感じています。

特に、「都心部での災害時対応」にて、この「支いあい」が足りなくなっているように感じています。

まあ、実は一定数、昔から存在する出来事なのですが・・(私も若いころの災害ボランティア活動などで体験していることです。)

自然災害時・災害後の避難所生活において

*住民(避難者)の避難を受けるものとしての意識が強い方が一定数存在。行政職員やボランティアに対する言動が荒く、何かと「要望」が多い

といったことがあるのです。

・もっと、ちゃんとした毛布はないのか?
・水ではなくてお茶はないのか?

などなど・・何かと

*サービスを受ける側とサービスを行う側

といった感覚で接する方が少なからずいるんですよね。

でも、避難所生活の基本は、避難者・行政職員・ボランティアなどすべての人が共に支えあうことだと思うのです。

実際、避難者の中には、「自分が何かできることはないかと」と避難所などにて、行動している方も沢山いますしね。

もちろん、「何かをしなければいけない」わけではありませんよ。

*みんなで支えあう

という気持ちだけでも、持っていればいいんです。

「民泊」事業の課題

近年、「民泊」が制度化され、日本においても民泊を行う方が増加傾向となっています。

今回の「台風19号」にて、あらためて気付いた課題が

*「民泊」の不十分な災害対応の存在

です。

ホテル事業者や旅館事業者の方々の多くはきちんと「避難訓練」なども含んだ、防災計画を有しています。

しかし、「民泊」を行っている方の多くが、宿泊事業の専門家ではなく、一般市民。

*「民泊」において、自然災害(特に地震・火災)時の避難誘導などが期待できない

のが実情です。

現状のままでは、とても大きな課題が内在することに。特に外国人旅行者などを対象とした民泊では、適切な避難誘導がさらに困難となることが推察できます。

災害時の「ペット」対策

「台風19号」は関東都心部を通過することとなりました。事前に浸水被害などが想定されていたこともあり、”避難所”へ避難をした方も多くいたようです。

そんな中、あらためて課題として浮き彫りとなったのが

*「ペット」の避難問題

です。

近年では、ペット(犬・猫など)と家族同然に過ごしている方が多くなっています。

と・・同時に

*「アレルギー」の多様化

が社会的な問題に。多くの方が「花粉症」などを筆頭に何かしらのアレルギーを有する状況となっています。

その中には「犬・猫」などに対する「動物アレルギー」なども存在。近年アレルギーによる重篤な症状を発症するケースも増えており、アレルギーは安易に対処してはいけない要素となっています。

それゆえに

*「避難所」へのペット同行の可否対応

が大きな課題として取り上げられています。

現状、「避難所ごと」に”ペット対応”な大きな違いが存在。ペットの同行が可能な避難所もあれば、不可能な避難所もあります。

その中間的な対応としている避難所なども存在していますので、ペットを飼っている方の場合、単に近所の避難所を知っているだけでは不十分なことに。

*避難所ごとのペット対応の内容を事前にチェックしておくことが必要

となります。

「ペットも含めた避難計画」を各自にきちんと練っておくことが大切なポイントに。

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