地震予知を前提とした防災対策(東海地震方式)を見直しへ!

災害対策・防災情報

防災

以前、「大震法の見直し」に関する情報をご紹介いたしました。

大規模地震対策特別措置法(大震法)の見直し!予知から防災&減災へ

国の地震対策(防災)は、時代の流れに沿って、発展している要素もあるのですが・・根幹的な部分では、かなり時代遅れ(現状に即していない)の内容となっています。

今回、ようやく、そんな防災対策に関する根幹的な要素の見直しの方向性が示されることとなりました。

地震予知を前提としない”防災対策”づくりを。

昨日、地震防災に関して、根幹的な見直しをしていくことが政府から発表されました。

*関連ニュース:南海トラフ「予知前提」見直し、新たな情報提供方法の検討開始

概要としては、

近い将来の発生が心配される南海トラフ巨大地震に対する防災対策に関して、地震予知を前提とした「東海地震方式」をおよそ40年ぶりに見直し、異常な現象が観測された場合に、住民に対してどのように情報を出していくか検討を始めました。

というものです。

いままで、「地震予知を前提とした防災対策」を根幹要素としてきたことに、正直大きな驚きを感じる方も少なくないのではないでしょうかね。

だって・・。

ここ数十年間にて、大きな被害を及ぼした大規模地震が複数発生していますが、そもそも政府機関から、”地震予知関連情報”などは発せられたことは一度もありませんでしたから。

まあ、地震予知に関して一応「東海地震」のみに限定した話となっていますので、仕方がないのかもしれませんけどね。

でも、東海地震に対して、地震予知をするためのスキーム(何かしらの手段)があるのであれば、それを活用して、試行錯誤していかなければ、地震予知(本当は地震予測だと思いますが)の手法を確立していくことなど出来ないはずです。

結局は、「地震予知(予測)を前提とした防災対策」は策定してきたものの、肝心の「地震予測の試行錯誤」は行ってきていなかったと言わざる負えない状況と感じています。

今回の政府からの発表に感じる”不満点”。

”地震予知(予測)を前提とした防災対策”を見直そうという方向性は、とても歓迎できる要素と思っています。

ただ・・。今回の政府からの発表にて、まだまだ大きな不満点を感じるんですよね。それが・・。

異常な現象が観測された場合に、住民に対してどのように情報を出していくかを検討。

という部分です。

もちろん、政府レベルでも、何か具体的な異常現象を観測した時には、その情報を開示していくことは、必要なことだと思っています。

でも、それは防災対策においては、副菜的な要素。そこに重点を置いて、防災対策を議論していくのは、少々間違った方向性だと思うんですよね。

地震という自然現象は”避難を必要としないもの”。地震が発生しても、大切な機能を失わない街づくりが最大の防災対策となるものです。

断層型地震当ブログ上でも、繰り返しお話させていただいていますが・・。

地震という自然現象は、避難を必要としない自然現象なんですよね。

この認識を持っているかどうかが大きなポイントとなるのかもしれません。

一番重要なことは、大きな地震が発生した時に、主要な生活機能を失わない(失いにくい)街づくりをすることなのだと、私は考えています。

特に

・大きな揺れに見舞われても、倒壊することの無い建物(住宅など)を構築すること。
・大きな揺れにより、地滑りなど地盤が崩壊しない安定した土地に建物を建てること。

この2要素が完全に満たされていて、さらに居住者(建物利用者)自身が

・大きな家具が倒れないように固定しておくこと。
・上から落下物が無いような住宅環境としておくこと

といった適切な環境づくりを行っていれば、地震によって、命を失うことは無いのです。

別に地震が来るからといって、避難する必要などないわけですね。

地震活動に対する防災対策の根幹は、上記要素を満たす環境を作ることなのです。

その上で、地震発生後(地震の揺れがおさまってから)の

・各種インフラ設備(給排水、ガス、電気)の素早い復旧方法の確立
・住宅損壊した方々の避難生活計画
・交通混乱に伴う、帰宅困難者の対策
・物流遮断に対する対策

などが、地震発生後の二次災害発生を防ぐための防災対策要素となるものと考えています。

ぜひ、政府レベルで策定する”大震法”などにおいても、上記要素を含んだ、具体的な防災対策指針などが盛り込まれていくことを期待しています。

”地震”と”津波”を分けて、防災対策を分類しておくべきかと。

なんとなく、政府や行政が示している現在の”地震防災対策”は、「地震活動」と「津波」が混在された内容となっているんですよね。

まあ、東海地震や南海沖地震などの大規模プレート境界型地震の発生時には、”津波”が生じる可能性が高いので、防災対策要素として組み込まれていることは、仕方がないことなのかもしれません。

でも、自然現象の視点で考えれば、”地震”と”津波”では、特性がまったく異なるもの。当然、その影響内容も大きく異なります。

最大の違いが、”地震”は避難を必要とませんが、”津波”は避難することが最大の防災対策となるということ。

特性の大きく異なるものを、ひとくくりにしてしまっているから、誤解を生じたり、混乱を招く要素となってしまうのだと思っているのです。

*地震防災対策
*津波防災対策

は、しっかり分けておくことが必要なものと考えています。

そうすることによって、例えば「大地震が来るなら、逃げなきゃ」といった間違った思いを抱かないで済むようになると思うんですよね。

それだけでも、地震発生時&発生後にパニックとならず、落ち着いた思考・行動がとれるようになるものですので。

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2019年5月19日災害対策・防災情報地震予知,減災,防災

Posted by poppo