先日、25日に中央防災会議の作業部会「南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループ」にて、大規模地震対策特別措置法(大震法)の見直しに関する報告書案が提示されました。

南海トラフ地震対策、大震法の見直しへ(YAHOOニュース)

といっても・・。

そもそも、多くの方が、大規模地震対策特別措置法(大震法)などという法律が存在していることを知らないのではないでしょうかね。まあ、それが当たり前かと。

大規模地震対策特別措置法(大震法)の見直しに関する感想。

私の本業は建築士(といっても、いろいろ多彩なことを生業としておりますが。)です。

一般的に”士業”と呼ばれるものですが、士業に共通する要素のひとつが「法の順守及び啓蒙」となっています。

”弁護士”などがその代表格であり、イメージしやすいのではないでしょうかね。様々な条例や法規などを理解した上で、物事に当たる(仕事)と共に、関連した事項を一般の方に認識・理解してもらえるように、伝えていくことが仕事の肝となっているのです。

建築士というと”デザイン”といった要素がイメージされやすいと思いますが、実は、多くの条例&法規に精通していないといけない職業であり、様々な法規制を遵守できるような計画を立案することが大切な要素のひとつとなっているのです。

*建築基準法
*消防法
*各都道府県の建築関連条例

といった、建築に関連する各種法規の他。

*自然公園法
*環境アセス
*温泉関連法

などの自然環境に関するもの。

*保健所関連の建築衛生法
*上下水道関連の法規
*電気関連の法規

など、各種インフラ設備に関連する法規。

*民法

なども建築士としての業務を行う上で、関連する法規となっていたりします。

ですから、建築士にとっては”デザイン”はあくまで、一要素に過ぎないんですよね。ゆえに、私の場合は、デザイナーに特化した意識はありません。もっと包括的な人が生活するのに好ましい環境づくり・・といった意識の方が強いように思っています。

・・・。少々話が脱線してしまいましたが(苦笑)

そんな職業柄もあって、大規模地震対策特別措置法(大震法)は、おそらく一般の方よりかは身近に感じている要素となっているものと思っています。

ちなみに、大震法の内容(条文)はこちらです。まあ・・たぶん、あまり書かれている意味がわからないものと思いますけどね。(どんな法規も、何故かわかりにくい内容となっているものです。)

要点は、”地震予知”を諦めて、”防災・減災”を重視するということ。

今回、何か具体的な内容が示されているわけではありません。あくまで、「法規の見直しをしようね」という考え方が提示されただけですので。

ただ、要約すると

今までの大規模地震対策特別措置法(大震法)は、”地震を予知すること”を大前提(主要素)とした内容となっているのですが、それを予知を前提とはしない(予知を必要な要素としない)”防災・減災”を主とした内容にと変更する

という考え方が示されたのです。

これだけ聞くと、正直「何をいまさら」と思いますが・・(笑)。

この考え方の見直しはとても重要なことだと感じています。それは何故かというと・・。

”地震予知”を前提とした施策というのは、予知が出来なかったら機能しない要素となる。

わけです。

実際、過去(ここ数十年)に発生した大規模地震のすべてが、予知は出来なかった地震(公的には)であり、大きな被害を生じさせることとなりました。

そもそも、『地震予知を前提とした施策』を考えることは、無意味とはいいませんが・・効果的ではないのです。地震の予知自体がかなり難しい要素なのですから。

ゆえに、本当に必要となるのは、地震予知を前提とはしない(予知に頼らない)地震被害・災害を生じさせないため(少なくするため)の施策なのです。

”被害”は人が生じさせるもの。具体的な防災・減災の施策は期待できるはずです。

私の持論ともなっているのが

*自然(地震)災害・被害は、自然が引き起こすものではなくて、人が生じさせるもの

という考え方です。

この考え方は、度々ブログ上でも繰り返し話をしてきている要素のひとつです。

そもそも地震活動というのは、”地面が揺れるだけ”の現象。平地の屋外に人が立ってる状況で、大きな地震が来たとしても、まったく何の影響も受けないものなんですよね。

・人が土地を開拓(切り崩したり、埋め立てをしたり)した上に建物を建築。
・崖地や盛土地などの危険な場所に人が居住。
・密集した建物環境を作ってしまうこと。

などが要因となって、地震が発生すること(地面が揺れること)によって、何か被害が生じることとなっただけのことなんですね。

こちらの記事

地震時のタワーマンションの弱点(課題)!内部で発生した火災による全焼の危機。

でお話していることなども、まさに”人的な要素”と言えるのではないでしょうか。

でも、逆に言えば

「丈夫な建物を建設・居住」「平地・丘陵地で安定的な土地に住み」「適切な距離を保った住宅環境」を作っていれば、地震による被害は生じないものとなるわけです。

これらは、すべて、人側で対応できる要素なんですよね。

そう、人の考え方・行動次第で、自然災害は無くせる(小さく出来る)ことを意味しているのです。

上記の要素なども立派な”防災対策要素”のひとつなのです。

地震を事前に予知して、それに応じた行動を心がける・・・といった対策よりもはるかに現実的で、効果的に災害を無くすことが出来る施策となるわけです。

*自然との共生

といった意識や知恵なども、そんな自然災害対策に役立つ要素のひとつと私は思っています。

大規模地震対策特別措置法(大震法)の見直しに関しても、ぜひ、予知情報を必要としない具体的な防災・減災の施策が示されるような形となることを、期待しています。

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