地震活動にも、いくつかの種類(地震が発生する仕組み)が存在しています。地震の種類に応じて、その影響力も異なることは、ぜひ、認識しておきたいポイントです。

内陸断層型地震の”揺れ”の特徴。

地震活動をその仕組みで大きく分類すると、「プレート境界型地震」と「断層型地震」に分けることが出来ます。さらに「断層型地震」に関しては、断層のズレ方向の違いによって、「正断層型地震」「逆断層型地震」「横ずれ断層型地震」に分類することが出来ます。

それぞれの地震の仕組みに関しては、また機会があれば、別記事で記していきたいと思っています。地震の仕組みを理解しておくことも、防災に役立つ部分もありますからね。

今回は、内陸部で生じる断層型地震に関する”揺れの特徴”について、お話してみたいと思います。

内陸断層型地震において、”揺れ”は弱い地殻域を伝達していくもの。

断層型地震

内陸断層型地震の特性に関して、”大阪周辺の断層地震発生時の揺れ予測(上記図)”を題材として、お話してみたいと思います。

図は、紫色の四角囲み範囲の断層が動いたことを想定した時の”揺れ”の予測マップです。濃い赤色部が「震度7」、赤色部が「震度6強」、オレンジ色部が「震度6弱」、黄色部が「震度5強」、薄い緑色部が「震度5弱」を示しています。

今回、お話しておきたいのが、内陸断層型地震の”揺れ”に関して、2つの特徴があるということです。

1.”揺れ(地震エネルギー)”は、弱い地殻部分を伝わっていく

一つ目の特徴が、「揺れ(地震エネルギー)は、一律(同周円的)に伝わっていくのではなく、弱い地殻部分を伝わっていく」ということです。

普通に考えると、断層部分が最も大きく揺れて、断層に接する地域が次に揺れが大きくなるものですよね。しかし、実際には、そう単純な形とはならないことが多いのです。それは「地殻状況」に”揺れの伝達”は左右されるからなんですね。

図を見ていただくと、横長の断層域に対して、北部(上)と南部(下)で揺れ方が大きく異なっているのがわかるかと思います。断層北部は、大阪平野で、弱い地殻(揺れやすい地殻)となっています。ゆえに、揺れの強いエリアが”大阪市周辺”まで存在することに。断層から距離が離れたエリアまで、揺れの力がしっかりと伝わる様子がわかります。

反して、断層南部エリアを見ると、断層に接している地域であっても、赤色部分(震度6弱以上)は無く、黄色もしくは、緑色(震度5強以下)となっているのがわかるかと思います。

特に”泉南市”と”和歌山市”の間のエリアなどは、断層の隣接地なのにも関わらず、震度5弱止まり。和歌山市周辺では、震度6弱想定があるのに、ぽっかりと楕円形範囲で揺れが小さい(周囲との比較で)エリアが存在しているのです。

このことは、「震源からの距離」よりも、「地殻状況(地殻構造・強度)」が”揺れ”の大小に大きく影響する要素となることを示しているのです。

今住んでいる場所の近くに活断層があるからといって、無暗に怖がる必要は無いということ。それよりも、住んでいる地域の”地殻状況(地殻構造・強度など)”をしっかりと把握しておくことが、防災計画を立てる上で、重要な要素となるのです。

・揺れは、一律に伝わるのではなく、弱い地殻部分を経由して伝わっていく傾向があるもの。

2.地震エネルギーは断層方向に、放出(伝達)されやすい。

二つ目の特徴が、「地震エネルギーは、断層方向に放出される」ということです。まあ、地震エネルギーと称しているのは、”揺れ”のことでもあるのですが、私は、あえて”地震エネルギー”と”揺れ”を日ごろから区別して使用しています。

*地震エネルギー>揺れエネルギー

地震エネルギーの中に、”揺れ”という要素が含まれているという意味です。地震エネルギーには、”揺れ”という要素以外にも、各種電磁波などが含まれています。

図を見ていただいたときに、断層は横長となっていますよね。この場合”断層方向”というのは、横方向を意味しています。そう、この地震シミレーションにおいては、断層に対して、左右方向に、地震エネルギーが放出されることとなります。

図中で確認していただきたいのが、断層方向の右側では、「奈良盆地周辺」で局所的に揺れが大きくなっているということ。また、断層方向の左側では、海を挟んで「南あわじ市周辺」で、こちらもまた局所的に揺れが高まっています。

これは、断層方向へ地震エネルギーが多く放出されているからと考えられるのです。

断層マップなどを活用する上で、断層に隣接していなくとも、断層方向に位置するエリアにおいては、地震エネルギーの影響(揺れが大きくなる可能性)が大きくなる可能性があることは、しっかりと意識しておきたいポイントとなります。